生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

福岡 伸一
講談社

価格: ¥ 777(税込)
おすすめ度:5点満点で 4点

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5点《てん》満点《まんてん》で 1点《てん》6《6》ページ《ぺーじ》で十《10》分《ふん》。

過去《かこ》の回想《かいそう》、国内《こくない》の学会《がっかい》への不平《ふへい》不満《ふまん》、世界《せかい》の学会《がっかい》の裏《うら》に渦巻く《うずまく》権利《けんり》と不条理《ふじょうり》の吐露《とろ》など、タイトル《たいとる》と関係ない《かんけいない》(と思わ《おもわ》れる)内容《ないよう》がほとんどで、いつになったら結論《けつろん》が聞け《きけ》るのかと半ば《なかば》イライラ《いらいら》した挙句《あげく》、その中《なか》にちりばめられていたキーワード《きーわーど》から予測《よそく》されたまさかと思っ《おもっ》たそのまさか、機知《きち》の定義《ていぎ》の焼き直し《やきなおし》というあっけない幕切れ《まくぎれ》に終わっ《おわっ》た。
歯切れ《はぎれ》のいいタイトル《たいとる》とは裏腹《うらはら》に歯切れ《はぎれ》の悪い《わるい》結論付け《けつろんづけ》で、結局《けっきょく》何《なに》が言い《いい》たいのかまったくわからない。

帯《おび》の著名人《ちょめいじん》のメッセージ《めっせーじ》はすべて無視《むし》したほうがよいと思う《おもう》。

5点《てん》満点《まんてん》で 4点《てん》科学《かがく》的《てき》発見《はっけん》の裏《うら》にあるプロセス《ぷろせす》

ベストセラー《べすとせらー》になったね。文句《もんく》なくおもしろい。20世紀《せいき》の(分子《ぶんし》)生物学《せいぶつがく》の歴史《れきし》を淡々《たんたん》としながら緊張感《きんちょうかん》あふれる筆致《ひっち》で描い《えがい》ており、読み物《よみもの》としてよくできている。

野口《のぐち》英世《えいせい》の黄熱病《おうねつびょう》ウィルス《うぃるす》の「発見《はっけん》」(実は《じつは》野口《のぐち》は「発見《はっけん》」していなかった!という興味深い《きょうみぶかい》話《はなし》)の物語《ものがたり》から始まり《はじまり》、分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》はいかに姿《すがた》の見え《みえ》ない生体《せいたい》内《ない》の構造《こうぞう》をつきとめていったかというドラマ《どらま》が語ら《かたら》れるのが前半《ぜんはん》。DNAの二重《ふたえ》らせん構造《こうぞう》発見《はっけん》のプロセス《ぷろせす》を語る《かたる》箇所《かしょ》は圧巻《あっかん》である。ワトソン《わとそん》・クリック《くりっく》に隠れ《かくれ》た、ある物理《ぶつり》学者《がくしゃ》の重要《じゅうよう》業績《ぎょうせき》を指摘《してき》するあたりは、フェア《ふぇあ》な評価《ひょうか》に固執《こしゅう》する(それは正しい《ただしい》態度《たいど》だと思う《おもう》)この著者《ちょしゃ》らしい。

さて、遺伝子《いでんし》の正体《しょうたい》としてDNAが発見《はっけん》されたのちは、「生物《せいぶつ》」とは自己《じこ》複製《ふくせい》機能《きのう》を持つ《もつ》ものである、という考え方《かんがえかた》が一般的《いっぱんてき》になった。後半《こうはん》ではこの考え《かんがえ》を検証《けんしょう》する。福岡《ふくおか》さんは、ある機能《きのう》を欠損《けっそん》させたノックアウト《のっくあうと》マウス《まうす》(遺伝子《いでんし》のある部分《ぶぶん》を意図的《いとてき》に改変《かいへん》・欠損《けっそん》させたマウス《まうす》)の研究《けんきゅう》を通じ《つうじ》て、生物《せいぶつ》は単純《たんじゅん》に自己《じこ》複製《ふくせい》だけを行う《おこなう》ものではなく、より柔軟《じゅうなん》なバックアップ《ばっくあっぷ》機能《きのう》を備え《そなえ》ている存在《そんざい》であることを実証《じっしょう》した。果たして《はたして》これが生物《せいぶつ》と無生物《むせいぶつ》を決定的《けっていてき》に分ける《わける》機能《きのう》かというとそれは疑問《ぎもん》であるし(バックアップ《ばっくあっぷ》機能《きのう》を備え《そなえ》た無生物《むせいぶつ》もある)、この手《て》の実証《じっしょう》実験《じっけん》はいくらもあるので、この知見《ちけん》自体《じたい》は特段《とくだん》新しい《あたらしい》ものでもない。しかしながら、ここに描か《えがか》れるバックアップ《ばっくあっぷ》機能《きのう》に迫る《せまる》プロセス《ぷろせす》は、まさに学問《がくもん》のおもしろさ、つまり試行錯誤《しこうさくご》を通じ《つうじ》て真相《しんそう》に迫っ《せまっ》ていくプロセス《ぷろせす》の緊張感《きんちょうかん》、を余すところなく《あますところなく》伝え《つたえ》ているように思う《おもう》。新聞《しんぶん》などで描か《えがか》れる科学《かがく》的《てき》発見《はっけん》は常に《つねに》無味乾燥《むみかんそう》としているが、その裏《うら》には映画《えいが》とか小説《しょうせつ》の世界《せかい》に勝る《まさる》とも劣ら《おとら》ないドラマ《どらま》があるようである。

5点《てん》満点《まんてん》で 5点《てん》年《とし》を取る《とる》と生命《せいめい》のことを知り《しり》たくなる

世間《せけん》で言う《いう》理系《りけい》の私《わたし》ですが、生物《せいぶつ》に関《かん》しては高校《こうこう》レベル《れべる》の事《こと》しか分かっ《わかっ》ていない。ここ20年《ねん》以上《いじょう》遺伝子《いでんし》とかDNAとかゲノム《げのむ》とかの言葉《ことば》はメディア《めでぃあ》の中《なか》には見る《みる》がその中《ちゅう》身につい《みについ》ては理系《りけい》的《てき》(実物《じつぶつ》を見る《みる》とか、構造《こうぞう》はどうなっているとか)には知識《ちしき》としてなかった。先《さき》の見え《みえ》てきた今《いま》、生き物《いきもの》とは何《なに》かが気になっ《きになっ》て仕方なく《しかたなく》なりこの関連《かんれん》の本《ほん》をここ数《すう》ヶ月《かげつ》読み漁っ《よみあさっ》た。例えば《たとえば》DNAはどんなものかは本《ほん》からの知識《ちしき》として理系《りけい》的《てき》に理解《りかい》できてきたと思う《おもう》。
前置き《まえおき》は長く《ながく》なったが、こんな中《なか》、偶然《ぐうぜん》読ん《よん》だこの本《ほん》は今《いま》の私《わたし》にぴったりで興味深く《きょうみぶかく》読め《よめ》た。生物学《せいぶつがく》の専門的《せんもんてき》な説明《せつめい》は分かりやすく《わかりやすく》、それを説明《せつめい》するために設け《もうけ》た導入《どうにゅう》のための比喩的《ひゆてき》な文章《ぶんしょう》のセンス《せんす》も良い《よい》。また人間《にんげん》評価《ひょうか》的《てき》なまた歴史的《れきしてき》(人物《じんぶつ》と生物学《せいぶつがく》的《てき》)流れ《ながれ》についての文章《ぶんしょう》も入り《はいり》これも良い《よい》。生物《せいぶつ》とは何《なに》かが、今《いま》ここまで分かっ《わかっ》てきたのかと理解《りかい》出来《でき》て良い《よい》。
予断《よだん》になるが、生き物《いきもの》とは何《なに》かはこの本《ほん》を読ん《よん》でも「神《かみ》のみぞ知る《しる》」の域《いき》を出《で》ず、この本《ほん》の中《なか》に出《で》てくる「隙間《すきま》に落ち《おち》たボール《ぼーる》を掴も《つかも》うとして隙間《すきま》を広げる《ひろげる》とボール《ぼーる》はさらに下《した》に落ち《おち》ていく」比喩《ひゆ》のように果てしなく《はてしなく》深い《ふかい》ところまで進ん《すすん》でもなお手《て》に出来《でき》ないものかもしれない。

5点《てん》満点《まんてん》で 5点《てん》分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》の歴史《れきし》

生物学《せいぶつがく》が遺伝子《いでんし》の発見《はっけん》から、
DNAの発見《はっけん》へと進み《すすみ》、
分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》が発展《はってん》した歴史《れきし》がわかります。

身近《みぢか》なたとえをもちいて
丁寧《ていねい》に説明《せつめい》されていると感じ《かんじ》ました。

知ら《しら》なかったこと人間《にんげん》ドラマ《どらま》を
盛り込ま《もりこま》れ面白く《おもしろく》読め《よめ》ました。

5点《てん》満点《まんてん》で 5点《てん》分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》の歴史《れきし》

生物学《せいぶつがく》特に《とくに》、分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》の研究《けんきゅう》の歴史《れきし》が面白く《おもしろく》書か《かか》れています。特に《とくに》著者《ちょしゃ》のニューヨーク《にゅーよーく》のロックフェラー《ろっくふぇらー》大学《だいがく》での研究《けんきゅう》生活《せいかつ》の体験《たいけん》がよく反映《はんえい》されています。難解《なんかい》な分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》について、とてもわかりやすく書い《かい》ていますし、解明《かいめい》に至る《いたる》経緯《けいい》や研究者《けんきゅうしゃ》の人柄《ひとがら》、研究《けんきゅう》競争《きょうそう》など興味深く《きょうみぶかく》書い《かい》てくれています。これから研究者《けんきゅうしゃ》を志す《こころざす》人《ひと》や分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》を学ぶ《まなぶ》人《ひと》には、とても勉強《べんきょう》になるし、参考《さんこう》になる本《ほん》だと思い《おもい》ます。分子《ぶんし》生物学《せいぶつがく》の研究《けんきゅう》とはいかなるものかがよくわかる本《ほん》だと思い《おもい》ます。面白い《おもしろい》です。

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