奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
このリンゴ《りんご》を、ご賞味《ごしょうみ》あれ!
本《ほん》の表紙《ひょうし》をみて、「あ、このおじさんは...たしかどこかで」
...そうです、テレビ《てれび》に出《で》ていたおじさんです!
あの番組《ばんぐみ》が、どのテレビ局《てれびきょく》で放送《ほうそう》されていたのかも覚え《おぼえ》ては
いなかったのですが、このおじさんの笑顔《えがお》と「作っ《つくっ》ている人《ひと》に
会い《あい》たかった」という隠れ家《かくれが》レストラン《れすとらん》のシェフ《しぇふ》の言葉《ことば》は忘れ《わすれ》
てはいませんでした。
テレビ《てれび》でのおじさんの顔《かお》には苦労《くろう》されてきた歴史《れきし》が刻ま《きざま》れては
いたものの、あんな笑顔《えがお》で話し《はなし》ていたおじさんには、実は《じつは》私《わたし》の
想像《そうぞう》を超える《こえる》苦労《くろう》、いえ、激闘《げきとう》があったことを知り《しり》ました。
この本《ほん》に出《で》てくる言葉《ことば》は、どれをとっても決して《けっして》新しく《あたらしく》語ら《かたら》れるもの
ではありません。言葉《ことば》だけを抜き出し《ぬきだし》てしまえば、きっと他《た》の本《ほん》にも
...どこかでも語ら《かたら》れているものばかりです。
が、この本《ほん》の中《なか》で語ら《かたら》れる言葉《ことば》は、他《た》の場面《ばめん》で語ら《かたら》れてきた言葉《ことば》
とはちょっとちがいますね。このおじさんのリンゴ《りんご》と同じように《おなじように》、
他《た》のリンゴ《りんご》の味《あじ》とはちがうんです。
このリンゴ《りんご》を、ご賞味《ごしょうみ》 ご満喫《ごまんきつ》ください。
魂《たましい》がゆさぶられる1《1》冊《さつ》
リンゴ《りんご》馬鹿《ばか》一代《かずよ》。リンゴ《りんご》に生涯《しょうがい》を捧げ《ささげ》た男《おとこ》の物語《ものがたり》だ。
NHK「プロフェッショナル《ぷろふぇっしょなる》仕事《しごと》の流儀《りゅうぎ》」で木村《きむら》さんの物語《ものがたり》を見《み》ていたので、ふと本屋《ほんや》で手《て》に取り《とり》ぱらぱらとめくっているうちに・・・
「これは買わ《かわ》ねば!」とレジ《れじ》に行く《いく》
その足《あし》で近所《きんじょ》の喫茶店《きっさてん》に駆け込み《かけこみ》一気《いっき》読み《よみ》してしまった。
この本《ほん》には人《ひと》をひきつける魅力《みりょく》がある。
仕事《しごと》に命《いのち》をかけるほど夢中《むちゅう》になっているだろうか。
夜《よる》も眠れ《ねむれ》ないほど真剣《しんけん》に考え抜い《かんがえぬい》たのだろうか。
バカ《ばか》になるくらいに一心不乱《いっしんふらん》に集中《しゅうちゅう》しただろうか。
僕《ぼく》の魂《たましい》に直球《ちょっきゅう》で問いかけ《といかけ》られた気《き》がした。
こだわって、こだわって、こだわって、手放し《てばなし》た先《さき》に見える《みえる》世界《せかい》。
そんな世界《せかい》を僕《ぼく》も見《み》たいと強く《つよく》願っ《ねがっ》た。
長い《ながい》苦しみ《くるしみ》が奇跡《きせき》に結実《けつじつ》する時《とき》
そもそもが農薬《のうやく》の使用《しよう》を前提《ぜんてい》とした品種《ひんしゅ》改良《かいりょう》によって存在《そんざい》している現代《げんだい》のリンゴ《りんご》の
無農薬《むのうやく》栽培《さいばい》に成功《せいこう》した木村《きむら》秋則《あきのり》さんの物語《ものがたり》です。
農薬《のうやく》を使い《つかい》さえすれば、そこそこ裕福《ゆうふく》な暮らし《くらし》ができるにも関わら《かかわら》ず、あえてその
道《みち》を選ば《えらば》ずに、貧困《ひんこん》のどん底《どんぞこ》に喘ぎ《あえぎ》ながら、いつ光《ひかり》が見える《みえる》とも知れ《しれ》ない真っ暗闇《まっくらやみ》
の中《なか》を手探り《てさぐり》で歩み《あゆみ》続ける《つづける》木村《きむら》さんの人生《じんせい》は壮絶《そうぜつ》の一語《いちご》に尽き《つき》ます。
9年《ねん》にも及ぶ《およぶ》暗中模索《あんちゅうもさく》の日々《ひび》の末《すえ》、ついに畑《はたけ》一面《いちめん》にリンゴ《りんご》の花《はな》が咲く《さく》部分《ぶぶん》では感動《かんどう》で
涙《なみだ》がとまりませんでした。
「道《みち》はひらける」と信じ《しんじ》て、長い《ながい》苦しみ《くるしみ》の中《なか》で日々《ひび》先《さき》の見え《みえ》ぬ課題《かだい》に取り組ん《とりくん》でい
る人《ひと》は数多く《かずおおく》いるのだろうと思い《おもい》ますが、そういう人《ひと》たちにとっては本当《ほんとう》に勇気付け《ゆうきづけ》
られる偉大《いだい》な物語《ものがたり》だと思い《おもい》ます。
木村《きむら》さんのいう「バカ《ばか》になれ」とは、自分《じぶん》を信じ《しんじ》ぬく力《ちから》のことなのかもしれません。
簡単《かんたん》なことではありませんが、何回《なんかい》も読み返し《よみかえし》て自分《じぶん》の力《ちから》にしたいと思える《おもえる》本《ほん》です。
リンゴ《りんご》に留まら《とどまら》ない
震え《ふるえ》た、久しぶり《ひさしぶり》に本《ほん》を読ん《よん》で目頭《めがしら》が熱く《あつく》なった。
木村《きむら》さんの生き様《いきざま》や家族《かぞく》の絆《きずな》に感動《かんどう》したのはもちろんのことだが、
石川《いしかわ》さんの文章《ぶんしょう》もすばらしい出来《でき》である。
木村《きむら》さんが農業《のうぎょう》の世界《せかい》に与え《あたえ》た衝撃《しょうげき》はもちろんのことだが、
それだけではない重要《じゅうよう》なことをこの本《ほん》は教え《おしえ》てくれる。
「夢《ゆめ》を持ち《もち》、最後《さいご》まであきらめない事《こと》」
言葉《ことば》にすれば、簡単《かんたん》なようで、とても難しい《むずかしい》。
諦め《あきらめ》にも似《に》た、緩慢《かんまん》な毎日《まいにち》を過ごし《すごし》ていた自分《じぶん》が
恥ずかしかっ《はずかしかっ》た。少し《すこし》でもいい、変わろ《かわろ》うと思っ《おもっ》た。
すべての人《ひと》にオススメ《おすすめ》できる一《1》冊《さつ》。
本《ほん》の表紙《ひょうし》そのままのイメージ《いめーじ》、魅力《みりょく》本《ぼん》です。
今《いま》、評判《ひょうばん》の本《ほん》。木村《きむら》秋則《あきのり》、リンゴ《りんご》の無農薬《むのうやく》栽培《さいばい》との難題《なんだい》に何《なに》十《10》年《ねん》も取り組み《とりくみ》、遂に《ついに》伝説《でんせつ》のリンゴ《りんご》を生み出し《うみだし》た人《ひと》だと言う《いう》。NHKのプロジェクト《ぷろじぇくと》Xも見《み》ていないし、名前《なまえ》も存じ上げ《ぞんじあげ》ていなかったが、表紙《ひょうし》の屈託のない《くったくのない》笑顔《えがお》に惹か《ひか》れ購入《こうにゅう》した。そのしわくちゃな顔《かお》にかなりの高齢《こうれい》と思いきや《おもいきや》今年《ことし》60《60》歳《さい》、読み続ける《よみつづける》うちに、その皺《しわ》のひとつひとつに人間味《にんげんみ》と生き様《いきざま》が刻ま《きざま》れている様《さま》に思え《おもえ》てくる。
彼《かれ》の思考《しこう》は好奇心《こうきしん》と発想《はっそう》の転換《てんかん》、傍から《そばから》見る《みる》と、世上《せじょう》に流さ《ながさ》れず、己《おのれ》の夢《ゆめ》とロマン《ろまん》を実現《じつげん》させたように思える《おもえる》が、その裏《うら》には効率《こうりつ》主義《しゅぎ》としたたかな計算《けいさん》(良い《よい》意味《いみ》でね)、そして愚直《ぐちょく》なまでの根気《こんき》と探究心《たんきゅうしん》があった。
周り《まわり》からは狂気《きょうき》の沙汰《さた》と疎んじ《うとんじ》られ、失敗《しっぱい》しても、失敗《しっぱい》しても、取り憑か《とりつか》れた様《さま》に答え《こたえ》のない解答《かいとう》を追い続ける《おいつづける》、劇的《げきてき》で神話的《しんわてき》なその人生《じんせい》だが、決して《けっして》気張る《きばる》事《こと》なく、その結果《けっか》招い《まねい》た艱難辛苦《かんなんしんく》な事態《じたい》にも、人間的《にんげんてき》な弱《よわ》さを見せ《みせ》ながらも、どこかひょうひょうと乗り越え《のりこえ》ていくのがこの人《ひと》の魅力《みりょく》だ。
そして、その人間性《にんげんせい》。困窮《こんきゅう》した末《すえ》たどり着い《たどりつい》た地元《じもと》のキャバレー《きゃばれー》でのアルバイト《あるばいと》の、流れ《ながれ》流れ《ながれ》て来《き》た従業員《じゅうぎょういん》たちとの交流《こうりゅう》。1《1》ページ《ぺーじ》足らず《たらず》の記述《きじゅつ》で短い《みじかい》し、本筋《ほんすじ》とは関係ない《かんけいない》けど、良い《よい》エピソード《えぴそーど》である。
「ひとつのものに狂え《くるえ》ばいつか答え《こたえ》に巡り合う《めぐりあう》」、「自然《しぜん》の手伝い《てつだい》をしてその恵み《めぐみ》を分け《わけ》てもらう」との思い《おもい》、過酷《かこく》な人生《じんせい》を経《へ》た上《うえ》で、ひとつの奇跡《きせき》を成し遂げ《なしとげ》た人物《じんぶつ》の言葉《ことば》だけに説得力《せっとくりょく》があるが、偉ぶら《えらぶら》ず自然体《しぜんたい》な気持ち《きもち》が伝わっ《つたわっ》てくる。
類い《たぐい》稀《まれ》な木村《きむら》のキャラクター《きゃらくたー》と共に《ともに》、出来すぎ《できすぎ》た“True Story”を、ハート《はーと》・ウォーミング《うぉーみんぐ》な世界《せかい》として纏め《まとめ》た石川《いしかわ》拓治《たくじ》の手腕《しゅわん》もお見事《おみごと》!

